悟鉄道の部屋

悟鉄道の鉄道模型コレクションを紹介します。走らせる事よりも、並べて眺めて楽しむ、並鉄(ならてつ)です。

EF70 1000番台 (前照灯編)


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寝台特急 日本海 の牽引機、KATO製 品番3081 FE70 1000 です。 出場前なのでまだナンバープレートも付いていません。 出場前の整備として、今回は前照灯を常点灯に改造することにします。

 

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さて、前照灯を常点灯にするには、ショットキーバリアダイオードと、コンデンサーと、定電流ダイオードを、片側に1セット、両エンドで2セット追加する必要があります。

機関車のカバーを外して電子部品を追加するスペースを探しましたがこの機関車、まったく隙間がありません。 天井裏のリブで前照灯基板を押さえつける勢いの設計になっています。 それでも隙間を探して天井裏と基板をにらめっこしていると、かろうじて見つけた隙間が、天井裏に空いた丸い穴の部分と、おもりに出来ている2か所の窪んだ部分のみです。

しかし、定電流ダイオードは 500mW パッケージなので、そこそこ大きさがあって、見つけた隙間にはとても入りきれません。 それでも諦めずに空間を探し続けて・・・

 

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見つけました! 広大な空間を!! 運転室の後ろです。 

この部分、下のギヤーボックスが台車の動きに振られて揺動しますが、黒い樹脂枠までは侵入して来ません。 ここに電子部品を収めることにします。

 

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回路図はこのようになります。 赤色のコンデンサーは元々スナバ回路を構成していたでしょうから、取り外してモーターの近くに移設します。 プリントパターンは赤色の2か所でカットします。 緑色の回路が追加になるので、3個の素子を片側のスペースに納めることになります。 LED の電流制限には通常は CRD(定電流ダイオード)を使いますが、CCR(定電流源IC)なるものが秋月さんから売られていて CRD よりも安いので、これを使ってみます。

CCR ですか? ”雨を見たかい” という曲が昔ヒットしてましたね... 歳がバレました (^-^;

 

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黒い樹脂枠を外すには、まず前照灯基板を外す必要があります。  この基板の外し方、ググってみましたが見つけきることができず、ちょっと苦労しました。 結局、おもりの出っ張りの部分の基板を少し持ち上げて基板を右方向に押してやると、おもりの引っ掛かりから外すことができました。

基板が外れると黒い樹脂の枠は簡単に外れます。

 

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黒い樹脂枠が外れたら、常点灯回路を組み立てます。 まず、台の上に両面テープを貼って、その上にポリイミドテープを裏向きに(粘着面を上に)して貼り付けます。 その上に、収める部分の広さに合わせて電子部品を配置します。

左から、コンデンサ 1μF、CCR 15mA、ショットキーダイオード です。素子の向きに注意して貼り付けてください。

反対側エンドは部品配置も逆になります。 回路図をよく見て配置してください。

 

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電線は、その辺の適当な電線の心線をほぐした銅線を使います。 真ん中の CCR の右側につなぐ電線は、前照灯基板まで配線するために、ポリウレタン線を使います。 ポリウレタン線は絶縁被膜が施されていますが、溶けた半田を当てることで簡単に被膜を除去できます。 半田付けする部分はあらかじめ予備半田しておきます。

銅線をテープの上に貼り付けて、手早く半田付けします。 ポリイミドテープは耐熱性があるので、手早く作業すれば溶けずに済みます。 電子部品が逃げるようでしたら、爪楊枝で垂直にかるく押さえながら半田ごてを当てると、上手くできます。

さて、悟鉄道仕様の常点灯室内灯には 10μF(1608サイズ)のコンデンサを使いますが、今回はスペースの都合で 1μF(1005サイズ)を使ったので、容量が足りてるかどうか電圧波形を確認しておきます。 

 

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アクリライン用常点灯電源につないで、砲弾型電球色LEDを灯もしてみました。 デューティー比15%のパルス波を供給するとコンデンサの両端にかかる電圧波形は、やはり若干のこぎり波になっています。 電流制限素子が抵抗の場合は、こののこぎり波が影響するのでしょうけど、CCR ならば問題ありません。 電圧の低い部分でも 9V あるので、LED と CCR の順方向電圧をクリアしているからです。 ためしに、デューティー比を変化させてみても明るさは全開のままでまったく変化しません。 さすが定電流素子です。

 

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常点灯回路の組立てができたら黒い樹脂枠の空間に両面テープで貼り付けます。 おもりに接続する銅線は、樹脂枠の下から(写真では上から)内側に回します。 ポリウレタン線は樹脂枠の上から(写真では下から)配線します。

 

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樹脂枠の内側は、おもりに接触するように燐青銅版を曲げて、銅線をはさみ込んで貼り付けます。

 

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車体に組み込むとこんな感じです。

 

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さて次は前照灯基板の改造に取りかかります。 使われているライトユニットは、3070-1G EF56 1次形 ライトユニット です。

改造個所は次のとおり。

① パターンカット 2か所。

② ポリウレタン線を繋ぐためのランドを新設 2か所。

  レジストを剥がして半田メッキします。

③ 念のために、必要か所をポリイミドテープで絶縁します。

④ コンデンサを取り外して片側の電極に銅線をつなぎ、抵抗の近くに移設します。

 

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コンデンサに繋いだ銅線は裏側へ廻して、

 

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モーター電極の真ん中の足にはさみ込みます。 余った銅線はカットしてください。

 

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”コ”の字形の部品を組み付けるとこんな感じです。

 

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ポリウレタン線はおもりの上のセンター付近を通しますが、おもりの上部にも念のためにポリイミドテープで絶縁処理しておきます。

 

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前照灯基板を組み付けて、ポリウレタン線をランドに半田付けしたら出来上がりです。 ポリウレタン線はちょっと長い目にして、最初に見つけた天井裏の空間でたぐっておきます。

機関車の車体カバーを取り付ける前に試験点灯を行いました。 LED の順方向電圧を計測すると 2.9V だったので、CCR の消費電力は、( 12V - 2.9V ) × 0.015A = 0.1365W となります。 プリント基板への実装だったら基板が熱を拡散してくれるのでしょうけど、樹脂の上に両面テープ貼りなので 136mW の発熱ってどんなものか?

悲しいかな取付位置の関係で、CCR に直接指を触れることができません。 とりあえず30分ほど連続点灯させてみましたが、今のところ両面テープが剥がれたり樹脂が溶けたりすることはありませんでした。

 

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車体カバーをかぶせて完成しました。 停車時も走行時も常に明るさ全開です。

しかし、・・・・

ここで問題が発覚。

走行時に逆方向前照灯でちらつきが発生します。 どうやらスナバ回路がうまく機能していないようです。 しかも、常点灯回路を構成したおかげでその分、ちらつきもパワーアップしているようです。

さてこの問題は今後の宿題にするとして、今回は一旦これで終わりとします。

 

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